に じ ゅ う ば り き

20馬力
Vol.2 1997.2.15.
発行:開田村振興公社
木曽馬の里 乗馬センター
長野県木曽郡開田村末川 5596-1
TEL・FAX 0264-42-3085


寒い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
馬たちは 雪の放牧場で 元気に 走りまわっています。
放牧してすぐには、ゴロン ゴロンと転がって、雪あびをします。
見ているととても気もちよさそうです。
厚い毛皮を着ているので、冷たくても平気ですね。
さて、今回は開田保育園との交流を紹介してみようと思います。

おさんぽ
開田東保育園のみんなは、保育園から牧場まで歩いてお散歩に来てくれます。
はじめの頃は おっかなびっくり馬を見ていた子どもたちもだんだん慣れ、牧場まで来る間に草をつんできて馬にあげる子もでてきました。
馬の名前を覚えて、「シロ〜、みどり〜」と声をかけたり、馬の顔をなでたり・・・。

仔馬とのふれあい。
毛がふかふかしてあったかいね。
きゅう舎の通路を歩いて馬房の中の馬を見るのもこわがっていた子どもたちがだんだん平気になり、1人でさわったりできるようになると見ていてこちらもうれしいです。
子どもたちにとって、馬が特別な存在ではなく「自分たちのお友達」という感じになっていってほしいです。


じょうばたいけん

昨年は保育園のみなさんにも乗馬を体験していただきました。
まずはあいさつをして「馬の後ろへ行かないこと」 「にんじんをあげる時は手をパーにひらいてあげること」 など注意事項を伝え、さて乗馬。
順番にヘルメットをかぶり、ボスとラッキーに乗りました。
多くの子どもたちは1人で馬の背にゆられ、ごきげん。
年小組で「ちょっとこわいな」と思っていた子も、保母さんと2人乗りして、引き馬を楽しんでくれたようです。

右の五言絶句は、乗馬会の様子を見て、園長先生が作って下さったものです。
これからも開田で育つ子どもたちにとって 木曽馬が身近な存在になってくれるよう 保育園と交流していきたいです。

おえかき

北九州市農事センターから幸春号(さっちゃん)が来ているときに 開田村東・西保育園の子どもたちが、さっちゃんの絵を描きに来てくれました。
馬の特徴をよくとらえていて、みんな上手に描いてくれました。
さっちゃんが北九州へ帰る時に、みんなの絵をプレゼントしました。
今でも「さっちゃん元気かなぁ」と、時々子どもたちと話しています。

鞍(くら)や轡(くつわ)はゆったりとして
馬は静かに歩む
幼きものが初めて馬に乗ったが
仲々雄々しい。
馬を好み親しんで心を通わせたいのは 素直な兼ねての願い
まさにここに本当の山の子が
誕生したというべきである。


−−−−−−−−−−−− P.1−−−−−−−−−−−−


〜 今月NOウマ 〜

















生まれて間もないちっこい春ちゃん
平成8年5月撮影
ならんで草をはむ親子の図
平成8年6月撮影


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スクスクと育った春音ちゃんはX'masにはトナカイになりましたとさ。メデタシメデタシ


平成8年12月撮影

名前
宝藤(たからふじ)
春音(はるね)
性別
(めす)
(めす)
毛色
鹿毛(かげ)
鹿毛(かげ)
生年月日
H.元.7.25.
H.8.4.23.
母(宝藤)はいつも「妊娠してるんですか?」と聞かれます。
『イイエ、太ッテルダケデス。デモチョットダケすりむニナッタノヨ』
子(春音)はいつも「母親にそっくりですね。」と言われます。
『ソウヨ。オカアサンニ似テ美人デすりむデショ!』とか言ってます。



Question and Answer


馬は何を食べるんですか?

飼育場所によって異なりますが、牧場の場合
乾草・・・・主食。アメリカなどからの輸入チモシーが多い。
ふすま・・・小麦の外皮の粉。整腸作用がある。
を、1日3回与えています。
あとは鉱塩という塩のかたまりを常になめられるようにしておき、
馬たちは自分で塩分やミネラルを補給しています。

夏は青草(生草)も与えます。
乾草よりも青草を好む馬が多いですね。
また 夏には とうもろこしをもらって 大喜びです。
実の収穫が終ったあとの茎や葉をバリバリ食べます。
(もちろん実がほしいのですが。)

にんじんや、りんごも大好物です。
主食としてではなく、おやつや、ごほうびとして与えます。
甘いものが大好きなので 氷ざとうなども ガリガリ食べてしまいます。

以前、この村にもっと多くの馬が飼われていた頃、馬は春から秋にかけては 山の放牧場で 青草を食べていました。
冬には夏の間に作っておいた乾草と「ごーそ」を与えました。
「ごーそ」は直径 70cmもある大釜で煮て作ります。
材料は脱穀した稗の茎やわらなどを 3cm程に細かく切ったものと、大豆の殻、それに米ぬかです。
馬の体が冷えないように、工夫されていたんですね。

牧場の馬に、にんじんや りんごをあげる時は、小さく切って 手をパーにひらいて 手の平にのせてあげます。
そうすると 馬も食べやすく、また まちがえて指まで食べられることもないのです。
にんじんやりんごを持って、牧場へあそびに来て下さい。


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うまに関する慣用句

うまのみみにねんぶつ
馬の耳に念仏

いくら力を入れて言ってもあいてに通じないで、さっぱりききめのないこと。
馬耳東風(ばじとうふう)も同じ意味で 馬の耳に東風が吹いても何も感じないことから、人の意見や批評を心にとめず、聞きながすことを言います。
実際には馬たちは 念仏をありがたく思うかどうかは別として、人の話を けっこう良く聞いています。


こぼればなし −メロンの皮−

馬にも食べ物の好き嫌いがあっておもしろいです。
ヒメはお客さんにのりのついたあられをもらって、ボーリボリボリと美味しそうに食べてしまいました。
でもシロは 一口食べて「なにこれ〜 もういらな〜い」と、ペッと出していました。
メロンの皮は だれも食べないのに みーこだけは むしゃむしゃ食べます。
個性があって 楽しいです。



● ● ● 職員紹介 ● ● ●

すまし顔のナナちゃん(左)

「え〜」と言ってる奥田さん(右)
名 前:奥田 孝 [おくだ たかし]
出 身:開田村、角塚里[かくづかり]
口 癖:な〜んてこいて

掃除、洗濯、炊事をなんなくこなし、大工仕事もオマカセアレの奥田さんの超最新自信作は厩舎の屋根用雪おろし(実用新案申請予定)です。
今朝もニンニクパワー炸裂で屋根の雪をおろしまくってますっっ。


* * 編 集 後 記 * *

馬の場合・・・No foot. No horse.

私の場合・・・No music. No life.

20馬力に対するご意見・ご感想や、馬に関する質問、牧場についての素朴なギモンなど、どしどしお寄せ下さい。お待ちしています。