中日新聞社・木曽福島通信局より、木曽馬血統調査に関する新聞記事をお送り頂きました。
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1997年(平成9年)11月30日(水曜日)
中日新聞 長野版 カラー面より

木曽馬守れ
数や血統…初の全国調査 [開田村の乗馬センター]
掛け合わせの実態も

日本在来の馬種で、現在は絶滅も心配されている木曽馬の生息状況を把握しようと、主産地の長野県木曽郡開田村で保護活動に取り組んでいる「木曽馬の里・乗馬センター」は、初の全国調査に乗り出した。 正確な数をつかんで種の保存に役立てるとともに、他の馬種と掛け合わされている場合はその実態を調べて“馬”としての変遷を調べるのが狙い。

木曽馬は、詳しい起源は分かっていないが、古文書によると六世紀には既に木曽地区で放牧されていたらしい。 平安期に同地区を本拠にしていた武将・木曽義仲に愛用されたことでも知られる。 その後、江戸末期から昭和初期にかけ、農耕馬として欠かせない存在となり、最盛期には二千頭いたという。
しかし、戦時中に軍用馬として改良され、戦後は農耕牛や機械の導入によって、数が激減。 現在は乗馬用やペットとして飼育されているだけで、数もセンターが把握しているだけで県内や愛知、岐阜県を中心に全国で五十頭ほどになってしまった。 そのため、同村の愛好家らが「木曽馬保存会」をつくって保護を続けているほか、ことし五月−六月にかけて岐阜県郡上郡高鷲村の愛好家らが木曽馬に乗って東京まで旅をし、保存の必要を訴えた。
調査では、センターが把握している馬主に調査表を送り、馬名や血統、掛け合わせの状況などを記入してもらう。 集まったデータをもとに、今後の保護・研究方向を考えるという。
センターでは「木曽馬は、分かっているだけで北海道から九州まで飼育されているが、血統登録されず、わたしたちが知らない所で飼われているケースもあると思う。 それがどの程度あり、また、掛け合わされてどんな馬が生まれているのかを探りたい。 心当たりのある人は、ぜひ連絡を」と話している。
連絡はセンター=電0264(42)3085=へ。

木曽馬
北海道の「道産子」や九州の「御崎馬」と並ぶ、日本在来の中型和種。 平均体高1.3メートル、体長1.4メートルの胴長短足。 人に慣れやすく、性格はおとなしい。 センターでは現在、二十頭ほどを飼育している。


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