原動機付自転車
記憶に残っている一番古いバイクに関する思い出は、 親父の運転するバイクのタンクの上に乗り、 夜の未舗装路を親戚の家に向かう場面だ。 いくつ位の時の出来事かは覚えていない。

ハンドルを夢中で掴んでいた。 ヘッドライトに浮かんでは消えて行くジャリ道の陰影を、何故かよく覚えている。

それまで、田植え前の泥の田んぼで、耕運機ぐらいしか動かした事の無い私が、初めてバイクを運転したのは中学の頃だ。親戚のおばさんが乗っていたスズキのバーディーという、ホンダのカブに似たバイクだったと思う。

なぜかある日突然、運転してみたくなった。今まで、自転車しか乗った事の無い少年には衝撃的だった。家の前の坂道を、苦も無く走り上がるパワーに感動した。
YAMAHA TY50
1975年に発売されたトライアルモデル、4PS。
親戚から、5,000円で買った中古車。
初めての自分のバイク。

1981年
友達とキャンプ場で泊りがけ宴会した時の写真。

初めて転んだのもこのバイク。
二回目の転倒 は、雪の道を乗り回してレバーを折った時だった。それでも、とても楽しかった。

そういえば、一人で林道を走りに行き、はち合わせしたニホンカモシカと見つめ合ったのも、このバイクであった。

原動機付自転車の免許は、16歳になってすぐ取った。

後日、この件発覚のため髪の毛を短くし、一週間の謹慎処分を受ける事となる。 私の通っていた高校は免許取得禁止だった。 しかし、適当な理由を付け免許証は手元に持っていた。
(確か、学校に預けろといわれていた。)
ちなみに、私の通っていた高校は、松本市内の工業高校で、自宅からは遠くて通えなかったので下宿をしていた。


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