貧乏なのに新車購入

思う処あって、勤めていた会社を86年7月に辞めアルバイトをしながらの生活となる。
アルバイトをするのは高校以来だ。とりあえず警備会社や飲食店などで働いて生計を立てる。なんといっても自由なのは良かったが、代りにとっても貧乏になってしまった。
思えばこの頃、プータローという言葉はあったがフリーターという言葉はまだ無かった。

87年春は車検だったので現金が必要だったが余裕が無い。どうしようか悩んだ末、今後の維持費の事も考えて思いきって車検の無い250ccのバイクに買い換える事にした。400ccを下取りに出し、それを頭金にローンを組んだので現金もほとんどいらなかった。
貧乏だったが、不思議な事にバイクの無い生活をする事は全く選択枝に無かった。

← 新車 KAWASAKI GPX250R

1987年1月発売のGPX250R。
私は4月に購入した。

水冷DOHC 4バルブ並列2気筒、45PS。

他人の250ccのバイクを借りてちょっとだけ乗った事はあったが、自分で所有したのは初めてだった。最初は400ccとのあまりのパワー差に驚いた。特に高速道路では加速感など全く違っていた。 前のバイクは長距離ツーリングなどに行ったりしてかなり愛着があったバイクだったので、無理してでも車検を通して乗れば良かったと本気で後悔した。

しかし、そんな事を思っていたのも最初のうちだけで、400ccの乗り心地を忘れてしまうとそんなに不満もなくなり、それなりに楽しめるようになった。


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