開田方言辞書・その2

☆ その歴史的背影や地方的関連 ...開田方言/単語辞典 2 ☆

*音声については、主に末川地域のもの
単 語
意 味
使 用 例
★ 音声 ★
アグビ あくびの訛
アイツ 物でも人でも対象物を指す言葉
アイラ あの人達 あの人達だった アイラ ダッテョー
アリ あれ あれは何だろう アリ ナンズラ
アリャ あれぇ(語尾が少しあがる)軽いおどろき
アリャア あれは。あれよ、あの人は あの人は誰だ アリャア ダリダ
アーリャ 軽いおどろきと嘆息
アタケル 暴れ、戯れる。「燕石十種」にある言葉、東美濃でも使う。
クルー 子供がくるくると戯れること。クルクーとも言う。(記・紀・万葉)
アゲェ 赤い 赤いなー アゲェンナー
アヲダチ 青大将(蛇の名)
アーセル 合わせる
アーノク 上を見る。敬語の仰ぐとはニュアンスが違う。 上を見てごらん アーノイテ ミリャ
アゲル 開ける
アギラメル あきらめるの訛
アスコ あそこの訛 あそこら辺にあった アスコラ二 アッタ
アッチ 向こう 向こうに行け アッチ イギャー
アッコイ かかと。東北・中部に多い方言
アッポ 幼児用語。火のこと
餅のこと(そばもちによく使う)
アスブ あそぶ(遊ぶ)の訛 外に行って遊ぶ オトイッテ アスブ
アテ 下じき、あてるの意。アテガイは見当。アテズッポも同様、見当。
いいかげんな見当の意。アテガウは当てる。当ててあわする、の意。
アテガッテミロヤ あててあわせてみなさい。
アトズサリ 後ろへさがる。廻れ右をしないで、そのままうしろへ引くこと。
アノサ(末川・把の沢)
アンニャ(西野)
あのね。相手に話しかける言葉。末川ではアノヨーともいう。
アルギャー ありますかの意。末川はアルガーとかアルガラ 用がありますか ヨウ アルガー
アテガイ 目算。見当。あてがいがはずれたなど
アテカ゜イズッポ
(※ °は鼻濁音)
いいかげんな目算。見当 いいかげんな目算で失敗した アテカ゜イズッポデ ダチカナンダ
アベコベ
アッテヨー ありました。末川ではよく語尾にヨーをつける。
「いました」の意が多い。
アブル 火にあたること。魚をアブッテ食う。火に近よって身体をあたためる。
(直接的表現)
寒いので火にあたる サブイデ アブル
ヌクム 同じあたたまるでも、ヌクムはぬくぬくとあたたまるの意。
ヌクイ・ヌクメ・ヌクマレ・ヌクマル・ヌクトイ・ヌクテーなどに転化。
ヌがノに発音されるものも同じ意味。ノクトイは飛騨各地で使用。
「ヌ」が「ノ」に発音されるのは末川。
暖かいなー ノクテンナー
アブネ あぶないの訛
アメェ 甘い。雨の場合は語尾下る。甘いの場合は語尾上る。 これ、甘いね コリ アメェンナー
アメクソ 甘えん坊の小供
アラサ にわか雨。
アラメー 無いだろう。
アルガイ あるかい。ありますかの訛
アンマリ あまりにも あまりにも重くて持てないよ アンマリ ヨモクテ モテンヨー
アンモ もち(餅)
アンゴ あご(顎)末川に多い
アボ あぶ。蝿より大きく、人畜をさす昆虫


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