開田方言辞典・その6

☆ その歴史的背影や地方的関連 ...開田方言/単語辞典 6 ☆

*音声については、主に末川地域のもの
単 語
意 味
使 用 例
★ 音声 ★
カイー かゆい。 かゆかった カイ ガッタ
カイラ 蜷(ニナ)。田螺(ツブ・ツボ)は田圃や淵にいる。流れ川にいるのが蜷(カイラ)。西野では田螺をツボカイラという。 その川にはニナがいる ソノカワニャ カイラ イタ
カードリ 河鳥(水鳥一般)カーガラスとも言う。
カグ 書くの訛り。カガンは書かない。末川では書いたをケエタという。 書いたか? ケエタ ガー
カグス かくすの訛。
カケ°ル/カキ°ル
(※ °は鼻濁音)
日が没すること。
カアシマ 川原(かわら)。
ガーデン かなわん。 そりゃ、かなわんなー ソリャ ガーデン ナー
カール 倒れる。 そちらに倒れるよ ソッチ カール ゾー
カタカ°ル
(※ °は鼻濁音)
傾く。カタギルは傾ける。酒に酔ってよろめくそのさまがカタグ。カタガル・カタギルはカタグから。 右に傾いたよ ミギィー カタガッタ ゾー
カー 皮の訛。
カグネッコ かくれんぼう。栃木・群馬(佐波)でも使う。 かくれんぼうしよう カグネッコ セスカ
カサ 川上のこと。上方(かみがた)。サの語尾上がる。
カザ にほい。ネズミの油揚げでござる、このカザを嗅ぎますると(狂言記)
カザはにおい(匂)の古語。
臭い(においが悪い) カザ ワリ
ガサ/ガセ 量(物の嵩)。 結構な量があった ケッコウ ガセ アッタ
カシキ 炊事婦。 炊事の仕事を頼まれた カシキ タノマレタ
カシコイ 「狡猾の意」と「賢い」と2つ。「要領がよい」の意味もある。
カジク カジルの訛。歯でカジク(ル) りんごをかじる リンゴ カジク
カジケル/カジム/カジカム 寒さに手足がこごえて身体を小さくすること。 寒くて手が凍える サブクテ テ カジム
カスコク 冗談言う。馬鹿話をする。コクは言う。滓(カス)のようなことを言う。ヲーチャグコクとはちがう。 ヲーチャグコクは猥談をする、の意。
カスコグナ 冗談言うな。生意気言うな。馬鹿言うななどの意。 冗談ばかり言うな カス バッカ コグナ
カタケ°ル
(※ °は鼻濁音)
かしげる。 首を傾けてみなさい クビ カタケ°テ ミ
カチノル 雪の表面が日光でとけて凍ること。西野では「カッツェノル」ともいう。カッチは雪がとけてカチカチに凍ること。カッチにノルは北方語。
カリボシ 刈りほした草。カリブシ、カルブシとも言う。 干し草を集めていた カリブシ マグリータッタ
カッパ 傾斜した採草地。カリボシカッパなどと言う。 あの辺りはうちの採草地だ アスコラワ オラッチノ カッパダ
カッコ きのこ。カの音が高い。 きのこを採って来た カッコ トッテ キタ
カッコ 姿・かたち。恰好から。カの音が低い。カッコイイはもとは開田の方言。 いい格好だ イェー カッコ ダ
ヒダルイ 空腹のこと。かつえるより弱い表現。ヒドロッコイとも言う。
カヅケル かこつける。罪を人になすりつける。一般的に責任のがれをする意。東北と中部地方に分布。
クビノリ 子供の肩車。
カテ 堅いの訛。 これは堅い コリャ カテ
カテル 加える。仲間に入れる。の意。カタルは加わる。
カテル 交える。御飯にイモをカテテ食う。加えて食べる。交えて食べるの両方を含む。薪を交(かて)て竈(かまど)に焼(た)く (推古記三年四月) 昼飯は漬物をおかずに食べた。 ヒーリ ハ ツケンノ カッテ ク ッタ
カマイタチ 旋風が起こす裂傷。
カヤス 返すの転。 本を返すよ ホン カヤス ワー


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