佐多岬、桜島、薩摩半島
午前9時15分、民宿を出発。
有料道路に入り、佐多岬に向かう。料金400円。
駐車場にバイクを止め、遊歩道の料金100円を払い岬の展望台へ向かって歩く。ここも登り降りがあり、けっこう険しい道だ。

ついに、本土最南端、佐多岬に着いた。
これで、今度の旅の目的は達成した。眼下には紺碧の海が続く、薩摩半島方面には開聞岳も見える。

鹿児島湾を左に見ながら北に向かって走り、まっすぐ桜島を目指す。

桜島の展望台に着き休憩していたら、山頂の方で噴煙が上がった。爆発音もして、すげえなーと思って見ていた。するとそのうち、ひょうぐらいの軽石がパラパラと降って来た。休憩していた所には屋根があったが、広い駐車場には屋根がない。離れた所に止めてあったバイクに、カンカン音をたてて軽石が当たっていた。火山には勝てないが、そのバイクの姿は悲しい。

桜島フェリーに乗り、鹿児島市に渡るため港に向かう。 道路には、さらさらの火山灰がうっすらと積もっていて、滑りやすくとても危険だ。 さらに走って行くと、火山灰のため視界が悪くなる。ちょうど、濃い霧の中を走っているようだ。 このうえコケたら悲しいので、スピードを落として慎重に走る。
無事、火山灰の降っている地帯を抜けて港に着きフェリーに乗る。料金340円。
あっ、というまに鹿児島港に到着。所要時間は13分と書いてあった。

今度は、指宿スカイラインで南へ進み長崎鼻を目指す。
池田湖を通りかかったので、噂のイッシーを見るため休憩。残念ながらイッシーを見る事は出来なかったが、湖畔にあるいけすにバカでかいウナギがいた。大きすぎて、ちと気持ち悪い。聞く所によると、この湖は体長2m以上の大うなぎが生息しているそうだ。ちなみにこの大ウナギ、食べても美味しくないそうだ。

薩摩半島最南端、長崎鼻到着。

次は、間近に見える開聞岳に向かう。
標高こそ922mと高くないが、薩摩富士とも呼ばれているそうで、なるほど三角形の姿は美しい。 上の方に登れそうな道を進んでみたが、裾野をちょっと登っただけでそれ以上は登れなかった。標高とその形からして、頂上近くまで道路で行けそうな感じだったが、登山道しかないらしい。
東シナ海に突き出した野間半島に向かう。 今日は、そこの野営場でキャンプをする。夕方、半島の笠沙町に着いた。曇ってきた。

町の人に聞いたら、この季節まだ野営場は開いていないので、水道などの設備が使えるか分からないらしい。だが、それでいいならキャンプ自体は構わないという事だった。もちろん、料金も無し。 とりあえず、場所を確認に行って見る。野営場は、草の生えた普通のグランドの様な所でトイレと水場が端の方にあった。他に、キャンプしている人がいないのでちょっと寂しい。

海岸線の道をここまで走って来る時、道端の広場でテントを張っている人達を見かけた。 その場所は、目の前が海で景色も良く楽しそうだった。しかし、いきなりバイクを乗り着け、人の隣にテントを張るのも変だし、そこがテントを張っていい場所かどうか定かでない。安心してキャンプの出来る野営場に泊まる。

場所の確認を済ませ、町中に戻り食堂で夕食を食べた。
客は私一人で、店の人は私より少し年上ぐらいの女性だった。話しかけられたので、バイクや旅の話などをする。かなり興味があるようで話がはずむ。愛想が良くて、なかなか奇麗な女性だった。 その食堂と別に、母屋の方で旅館か民宿をやっているらしい。そこに泊まっていれば、もっと楽しかったかもしれない。残念。

雑貨屋に寄る。
かなり歳をとったおばあさんが、店番をしていた。薩摩弁がきつくて、半分何を言っているか解らない。ポケットティッシュがあれば欲しかったが、何度話してもさっぱり意思が通じない。仕方なく、一番量の少なそうなチリ紙の束を自分で探し出して買う。まいった、こんなにいらない。毎日使う物なので無駄にならないが、思わぬ荷物となる。
ついでに、ワンカップの芋焼酎3本とつまみも買う。

野営場に戻ったのは午後8時30分、もう真っ暗だ。 とっとと、シェルター型の一人用テントを張って潜り込む。 ワンカップの芋焼酎を開ける。さすがに本場の芋焼酎だ、かなり匂いがきつい。 さらに2本目の焼酎に口を付ける。だが、これを飲み干すのが精一杯。 結局、残った1本の芋焼酎は、タンクバックに入れたまま横浜まで持ち帰った。
かなり酔ってしまった、まぶたを閉じると目が回る。

本日の走行距離、296Km。


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